旧田中家住宅とは
旧田中家住宅は大正時代に建設された木造煉瓦造三階建の洋館、昭和初期に増築された和館、文庫蔵、茶室、池泉回遊式庭園、煉瓦塀により構成されています。
味噌醸造、材木商等を営む資産家であった四代目田中德兵衞は、職業柄、建築資材にはこだわりがあり、当時入手できる最高級の木材を用いました。例えば、洋館2階の座敷に使用されている黒柿は1万本の柿の木の中から1本という、非常に希少な木材です。
煉瓦は建築現場の近くで専門の職人に焼かせたものを使用し、調度品はヨーロッパから取り寄せたものや、日本の企業に特注したものが内装を飾ります。建築費用の総額は18万円といわれています。これは現在(※平成19年)の金額にするとおよそ2億5千万円程となり、この建物がいかに破格であったかを窺い知ることができます。
2006年に国登録有形文化財、2018年に国指定重要文化財に指定されました。
一般公開が始まって以来、建物の見学や、季節ごとのイベントなどで、市民を中心に多くの方々に親しまれています。
概 要
- 開館年月日
- 2006年(平成18年)
- 構 成
- 洋館・和館・文庫蔵(旧仕込蔵)・煉瓦塀(南塀・北塀)
- 建築面積
- 洋館174.57㎡(主体部・蔵部・台所部合計)
和館160.05㎡
文庫蔵(旧仕込蔵)99.15㎡
煉瓦塀(北塀)13.6m
煉瓦塀(南塀)38.3m - 文化財指定名称
- 旧田中家住宅
- 重要文化財指定年月日
- 2018年(平成30年)12月25日
沿 革
-
1921年
大正10年
-
洋館が起工する。
-
1923年
大正12年
-
洋館が竣工する。
-
1934年
昭和9年
-
1月に和館が起工し、5月に竣工する。
-
1948年
昭和23年
-
高松宮殿下、川口市巡啓の際、お立ち寄り。
-
1960年
昭和35年
-
田中家住宅敷地内での味噌醸造終了。
-
1973年
昭和48年
-
味噌蔵などを一部取り壊し、庭園・茶室を整備。
-
2005年
平成17年
-
川口市の所有となる。
-
2006年
平成18年
-
国登録有形文化財指定。川口市立文化財センター分館として整備、旧田中家住宅として一般公開される。
-
2018年
平成30年
-
旧田中家住宅の洋館・和館・文庫蔵・煉瓦塀が川口市初の重要文化財に指定される。